行ってきました、WPC EXPO 2005。もちろんお目当てはW-ZERO3です。
各方面で大評判なんですが、やはり実機を触ってみないことには気が済まないもんで。
電車に揺られて1時間ちょい、ビッグサイトまで出張ってみました。
東1ホールに入って目の前にあるウィルコムのブース。昼過ぎに行ったんですが、すでに大盛況。
日本中のPHSユーザーが集まっているのか、はたまたケータイ乗り換え予備軍の皆様か。
で、ちょと裏の方に回ったらありましたよ、W-ZERO3(以下「ZERO3」)。けっこうな数置いてあったんですけど、それでも並ぶ並ぶ。常時10人待ちくらいの行列ができてました。
人気のせいもあるんでしょうけど、一人当たりの試す時間が長いんですな。みんな5分以上はたっぷりいじるもんですから、自然と行列も長くなるわけです。
で、並ぶこと30分以上(汗)、ようやっと順番が回ってきました……と思ったら、あら起動画面?
前に使ってた人がフリーズさせちゃったらしく、係の人がリセットした直後のやつを渡されたのでした。
係の人「立ち上がるまで1~2分かかりますんで」
長っ。こんなとこまでリナザウ似とは(苦笑)
この辺、ケータイの感覚ではないですね。PDAとして考えなければ許されない時間です。
さてようやく立ち上がったので(リナザウよりは早い感じ)、さっそく使ってみます。まずは大きさ比較。
W31SAとの比較。大き過ぎるわけじゃないけど、やっぱり普通のケータイより一回り以上大きい。
持った感じ、思った以上に持ち重りがします。ズッシリ。厚みもあるので、片手で持つとガシッとつかむ感じになります。野郎の手ならともかく、女性にはちょっと持ちにくいかなぁ。
見回してみると、列に並んでるのはやっぱり9割がた男でした。ま、そうでしょうな。
では使ってみます。まずは電話をしてみようかと通話ボタンを押してみたんですが……キャリア音(「ツー」ってやつ)が聞こえません。あれー、と思ったら、ディスプレイに表示されたダイヤルキーにも「通話」と書かれたものが。これを押すと初めてキャリア音がします。要するに、本体の通話ボタンは、画面にダイヤルキーを表示させるためのショートカットボタンなんですね。わかれば納得なんですけど、ケータイと同じように扱うとちょっと戸惑う操作感覚です。
続いてブラウザ。立ち上がりはまあまあの速度。もっさりはしてないけど、サクサクでもない感じです。ま、こんなものかと。無線LANが使えなかったのでダイヤルアップになるんですが、オフライン時でもURLを入力すると何も言わずにダイヤルアップしてネットに接続してくれるのは気持ちいいですね。このシームレスな感覚はネット端末として悪くないです。これがZERO3のひとつの売りなんでしょうな。
メモ帳でキータッチを試してみます。quick brown fox jumps over the lazy dog……っと。
うーむ、キーボードが左右に分かれてるデザインなんで、タッチタイプができる人じゃないと両手打ちはちょと大変かも。私の変則的なキータイプだと、親指伸びきってしまうことがしばしばありました。
感心したのは、手書きメモの快適さ。線が細くても綺麗に曲線に追従するので、気持ちよく書けます。これならとっさのメモ取りにもいいかも。でもこれは端末というよりWindows Mobileの性能ですけどね。
……と、何だか順調に使ってるように見えますけど、実は操作にけっこう戸惑うことが多かったです。特に、ボタンがどの場面でどういう機能を果たすのかよくわからない。変なボタン押してわけわからなくなることが何度かありました。Windows Mobileのルールをいまいちよく知らないせいもあるんでしょうけど、かなり操作がややこしい印象を受けました。少なくとも、直感的には使えません。使い方を勉強しないとろくにアプリも立ち上げられないという感じ。PDAとしてはリナザウよりも使いづらいかもしれません。やっぱりWindowsなんだなぁ、と少しがっかりしました。
そうそう、ボタンと言えば。十字ボタン(と真ん中にあるスティック)が小さくて、実に使いづらかったです。配置するスペース上小さくせざるを得なかったんでしょうけど、もうちょい何とかならんもんでしょうかね。あれじゃ使いこなそうって気が失せます。
とまあ、いろいろ言いましたが。
試作機ってことなんで、まだ操作系とかいろいろ改良が望めるのかもしれませんけど、ひと通り触ってみた印象は思ったより良くなかったです。ガジェッターの本能として、ピン!とくるものがありませんでした。発売即買いではなくて、しばらく様子見をした方がよさそうな気がしています。リナザウも初代から徐々に改良されて3代目くらいでようやっと満足いく性能になりましたから、むしろ後継機に期待した方がいいのかもしれません。
総合的な印象として、ZERO3はスマートフォンというよりも「音声通話もできるマニアックなPDA」だと感じました。PCを使いこなせる人ならともかく、あまり一般の人にお勧めできるものではありません。黒一色のボディデザインも、いかにも質実剛健なビジネスツールという雰囲気で、あくまでマニアな野郎向けという指向を感じます。まあ、そういう筋には確実にジャストミートしてるようなので、第1弾の戦略としては間違ってないとは思いますが……私は少し様子を見させてもらいます。W-SIMの展開も気になりますし、今後に期待ってことで。