江藤淳 「妻と私」
私が今生きている理由は、この本を読んで形作られたといっていいでしょう。
江藤淳という人の業績については失礼ながら全く知らなかった(今でもよく知らない)のですけど、彼が遺した遺書にはとても惹かれるものがありました。
遺書に著作権があるのかどうかわかりませんけど、Wikipediaにも載っているので引用しておきます。
心身の不自由が進み、病苦が堪え難し。去る六月十日、脳梗塞の発作に遭いし以来の江藤淳は、形骸に過ぎず、自ら処決して形骸を断ずる所以なり。乞う、諸君よ、これを諒とせられよ。平成十一年七月二十一日 江藤淳
それでこの本を読んで、「ああ、こういう生き方、死に方があってもいいんだ」と勇気づけられたのでした。だから、私は今でも生きています。