「中国・近畿、出ましたー」
「関東まだ?」
「午後3時発表予定だそうです」
「早く出しちゃえよー」
「あ、東海も出た」
「だろうねぇ」
そして、午後3時。
「関東出ましたー」
「出たかー」
「北陸は出ないのかぁ」「ふーん」
……何の話か、わかる人はもうわかってるかと思いますが。
今日の梅雨入り発表の話です。
うちの会社は、仕事柄この手の情報には非常に敏感でして。
どこの地方で出るの出ないのと、この時期は何となくソワソワするのです。
特に、今日は関東まで梅雨入りすることがほぼ確実視されていたので、じりじりと待ちかまえるようなシチュエーションになってしまったのでした。
ちなみに、梅雨入りには明確な判断基準といったものはありません。
梅雨をもたらす気圧配置のパターンというものがありまして、各地方の管区気象台が「うちの地方も梅雨のパターンに入ったなー」と判断したら、それで「○○地方は梅雨入りしたと見られる」と発表する、てな仕組みなのです。
昔は梅雨入り・梅雨明けは「しました」と明確に“宣言”していたのですが、昨今は人の心が狭くなってしまったのか、
「梅雨入りしたのに雨降らねぇぞゴルァ」
「梅雨明けしたのにまだ雨降ってっぞゴルァ」
と一般の方から苦情お叱りがバンバン来るようになってしまったため、断定を避けるような表現で“発表”するという形になったのだそうです。
なお、梅雨入り・梅雨明けの時期は秋になってから観測記録を見直して、最終的に確定させます。
にしても、人はなぜ梅雨入りにこだわるのでしょう。
別に今日と明日が大きく変わるわけでもないのに。
思うに、梅雨入りというのは精神衛生を維持するための理屈なのではないかと。
雨が続くとうっとおしくなるものですが、梅雨入りしていれば「まあ、梅雨だからしょうがないか」と納得する(あきらめる)ことができるので、そこでうっとおしい気持ちに区切りをつけられるわけです。
それと、気象庁的には一般の方からの苦情を回避する意味合いもあるかと。
「どうしてこんなに雨が続くんだよ!」
「いやほら、梅雨に入ってますから」
「そうか、じゃあしょうがねぇな」
みたいな(笑)
ともあれ、これからしばらくは雨の季節です。
昨冬は暖冬だったので、雪解け水が例年よりもかなり少ないのだとか。その分、この時期にしっかり降ってもらわないと、夏になって水不足になる可能性もあるのです。
うっとおしいと言わず、慈雨と思って受け入れましょう。
……もちろん、集中豪雨は困りますけどね。