気象衛星GOES-9に何が起きたのか

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今日の午前10時のことでした。
会社で衛星雲画像を見ていたら、何やらえらいことに。
こんなことになってました(気象庁HPのスクリーンショットより)。
衛星雲画像にノイズが入るときは走査方向、つまり横方向に弧を描くように細い線が入るのが普通なのですが、今回は思いっきり縦にくっきり入ってます。明らかに変です。
で、もしやと思って全球画像を見てみたら……これがまぁ。


実に無惨なことに(同スクリーンショットより)。
新デザインのバレーボールか、サイバーなおにぎりか、ってとこですね。
よく見ると、北緯50度近辺まではまともに走査できていたようなのですが、そこからズコッ、とまるでパンダウンしたかのように画像が南に流れています。
ここで、現在の日本における気象衛星観測のデータの流れを簡単に説明しておきましょう。
GOES-9で撮影された画像データは、まずアラスカにあるアメリカの基地局に送られます。そして、そのデータは(驚くべきことに)ひまわり5号に送られて、日本の基地局はひまわり5号が中継したデータを受信するのです。ご承知のとおり、ひまわり5号はすでに気象衛星としての機能を停止していますが、いわば中継局として未だに運用されているというわけです。
さて、話を戻して。それじゃあ、いったいどこで何が起こったのでしょう……?
詳しくはよくわかりません(苦笑)
ですが、聞いた話によれば日本の基地局で受信した段階ですでに画像データはああなっていたそうですから、GOES側かもしくはアメリカの基地局側で何らかのトラブルがあったのは間違いなさそうです。
もともと、GOES-9は故障を抱えて現役を引退していた中古衛星です。だから、この画像を見たときは
「GOES-9がとうとう死んだか!?」「どうするどうする?」「ひまわり6号緊急登板か!?」
などと一人でハラハラドキドキしたものでしたが、次の観測(つまり午前11時)には何事もなかったように正常な画像が送られてきたので、
「なんだぁ、つまんねーの」
とあっさり話が終わってしまいました。
気象庁からもNOAAからもその後一切説明がないので、この件は一時的なトラブルってことで片づけられてしまいそうです。それにしちゃ、ずいぶん派手なエラーでしたけどね。

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