去年以来もう何度繰り返したか覚えきれないほどの入退院。
その主症状であった原因不明の腹痛・嘔吐の原因が、ようやく確定しました。
病名は、遺伝性血管神経浮腫(HANE)。
10万人に1~2名という、非常にまれな病気です。
○どういう病気なのか?
免疫系に関わる補体第一成分(C1)を制御する因子(C1-INH)が活性低下ないし欠損することで、体の様々な部位に浮腫(むくみ)が出る病気です。手足はもとより、喉に浮腫が出る(喉頭浮腫)と窒息死することさえあります。浮腫が主に消化管に発生する場合もあって、その場合は私のように腹痛や嘔吐といった腸閉塞のような症状を起こすわけです。
○どうしてそんな病気になったのか?
遺伝子に異常が起きたため。私の場合は家族に既往歴は無かったんですが、検査結果などからHANEと診断されました。
○完治できるのか?
遺伝子を組み換えない限り完治は不可能、とのこと。
○また入院しないようにするにはどうすればいいのか?
要するに浮腫の発生(発作)を予防すればいい。
いろいろな文献によると、発作のトリガーとしては、外傷や感染といった身体的ストレスと、不安や緊張、疲労といった心理的ストレスがあるそうです。だから、そういった要因を減らすことがまず第一となります。
長期的な予防策としては、アンドロゲン製剤の投与が効果的とのことです。しかし、あくまで症例報告で「うまくいった」というレベルの話だそうで、確立した予防策ではないとのこと。
○発作が起きてしまったらどうするのか?
通常、浮腫は2~3日もすれば引くそうなので、それまで耐えるしか……(ToT)
というのも何なので、C1-INH製剤を投与すれば速やかに浮腫は消えるらしいです。
ただし、注射1本分の薬価が約11万円だとか……(ToT)
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とまあ、こういった病気らしいのです。
参考文献:
http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/immunol/students/2003report/2002050.htm
http://d.hatena.ne.jp/gapdh/20070408
http://amcor.asahikawa-med.ac.jp/modules/xoonips/download.php?file_id=1536(PDF)
はあ、何ともレアな病気になってしまったもんですよ。
今は、発作予防のためにアンドロゲン製剤であるダナゾールというお薬を毎日服用しています。ただ、このお薬、元々は子宮内膜症を治療するためのものなんだそうで。なので、男性に投与する場合は保険適応外。全額、自費で支払っております……(泣)
けっこうお高い薬なんで、経済的なダメージがでかいです。とほほ。
とはいえ、去年からつきまとっていた厄介な謎がようやく解けて、とりあえずホッとしています。
原因が何もわからないよりか、完治できなくてもわかっていた方がまだ安心できますからね。
あとは、発作が起こらないように、そろりそろりと生きていくだけです。
さてさて、この先、どうなりますやら……。
はじめまして☆早朝から失礼いたします。
実は私もあなたと同じ「遺伝性血管神経浮腫」です。私も長年診断がつきませんでした。私の場合かなり重度みたいで3歳の頃発症しました。それから20歳まで病名がつかなかったのです。今では全身あちこち腫れ、顔面、咽頭浮腫もしょっちゅうあり入院したりします。もちろんベリナートはよく使うのでお金が…。悩みもんです。私の場合も私以外身内でおりません。もちろん同じ病気の方と出会うのも無理な話しと思っておりました。なので今かなり震えております。よかったらお話したいです。
>佳葉子さん
はじめまして。
いつか同じ病気の方の役に立てばと書いた記事なのですが、実際にこうしてお話ができる
時が来るとは思ってもいませんでした。私も驚いております。
発作が起きた時はもとより、いつまた発作が起きるかと不安を抱える日々もつらいものです
よね。心よりお見舞い申し上げます。
病名が確定してから、何か発作予防の対策などはしてらっしゃいますか?
私も自分なりに調べたりしたことがありますので、ぜひ情報交換致しましょう。
コメント欄では不自由ですので、よろしければ r-top@polaire.org までメールを下さい。
どうぞよろしくお願い致します。
佳葉子さんへ
お送り頂いたメールに返信しようとしたところ、エラーが返ってきました。
メールアドレスが間違っているということなので、お手数ですが再度メールを
頂けますでしょうか。
よろしくお願いします。