桜開花:予想対決、気象庁に軍配
先日取り上げた、桜の開花を巡る気象庁とウェザーニューズの予想対決。
気象庁は今日東京で桜が開花したと宣言しましたが、これは気象庁予想の22日より1日早い結果で、かなりの精度で予想は的中したと言ってもいいでしょう。
一方のウェザーニューズは24日と予想、大きくはずしたかのように見えますが……
一方、ウェザーニューズは「気象庁は1本の標本木だけで判断しているが、こちらは都内355本を見て判定。現段階で23本しか咲いておらず、気象庁の開花宣言は早過ぎる」としている。
だそうです。
だったら、最初からそういう判定基準だって言って下さいよ。
気象庁が標本木1本に対して、ウェザーニューズは広範囲の桜を対象にしている。そういう見方をすればウェザーニューズの方がより実践的な判定をしているようにも思えますが、その観察対象としている木はどれなのか、何輪咲いたら「開花」とするのか、その辺の基準はウェザーニューズのサイトを見る限り、何ら公表されていません。そんな状況で「気象庁は早過ぎる」とか言っても、説得力は薄いですね。
気象庁が定めた「標本木1本に5~6輪」という判定基準も、ウェザーニューズが内々に定めた判定基準も、どちらも客観的かつ公平な根拠があるわけでもなく、結局は独自に定めた基準で勝手に判定している独断に過ぎません。ですから、「開花宣言」なるものは所詮どうやっても恣意的なものにならざるを得ないのです。
ならば、第三者が検証可能な形でその判定基準を公表している方が、まだ潔いというものです。
気象庁の開花予想は、ある意味標本木1本を対象にした予想でしかないわけですが、それだけに誰もが検証可能であり、ごまかしのきかない予想でもあります。
一方のウェザーニューズの予想は、東京都内であれば355本、その全ての木の位置を公表しない限り、予想結果を第三者が検証することは事実上不可能です。逆に言えば、24日の時点で都内で咲いている桜を355本適当にピックアップして、ウェザーニューズが「開花」を宣言してしまえば、ウェザーニューズの予想がズバリ的中、しかも誰もそれを否定できない、ということにもなってしまうのです。
まあ、本当にそんなインチキをするかどうかはわかりませんが、少なくともそういうごまかしが行われる可能性がある以上、ウェザーニューズの開花予想は情報として非常に曖昧性が高い=信用できないと言わざるを得ません。
一般人の感覚に近い開花予想を、というコンセプトで始めたことなのでしょうけど、その精度が検証不可能であれば無責任な「言いっぱなし」と変わりがありません。そういう意味では、当たりはずれがはっきりわかる分、気象庁の予想の方がまだ信用できるというものです。
要するに、今回の開花予想対決は天気予報とタロット占いを比較するようなもので、予想の精度を競うという点ではそもそも勝負になっていなかったわけです。
それでもあえて勝敗をつけるというのであれば、「気象庁の勝ち」ではなく「ウェザーニューズの反則負け」とした方がいいでしょうね。やろうとしていることは評価しないでもないですけど、上がってる土俵が違うんじゃどうにもならんです。