というわけで、しっかと見てまいりました。
いやー、やっぱプロレスはいいですね。特に生はいい! 会場の盛り上がりと一体になれる爽快感はたまりません。それが熱いカード、熱い試合であればなおさらのこと。そういう点で、今日の武道館のメインとセミは素晴らしかった!
他の試合は……えーと……(汗)
まあ、今日はメインの高山復帰戦目当ての人がほとんどでしたからね。なんか、第1試合から観客のテンションが高いんですよ。「今日はいいもの見て帰るんだ!」っていう気合い満々で。それだけに、ぬるい試合に対するテンションの落ち方も大きかったですね。特に第3試合辺りはけっこうだるだるで。志賀がパンチパーマを整える仕草が一番盛り上がるってのはどうなのかと(苦笑)
試合の詳細はこの辺を見て頂くとして、以下個人的な雑感を。
まず、第1試合が面白かったですね。ショッキングピンクのタイツで永源さんを意識しまくったSUWAが、いい役者っぷりを見せてくれました。レフェリーのマイティ井上さんを使った最後のオチまで、計算のうちだったんでしょう。普段はヒールで鳴らしてますけど、けっこう細かい気遣いをする人なんだなぁと、微笑ましく思った次第です。
ひそかに注目だった第4試合の凸凹タッグマッチ(苦笑)は、若者同士の張りのある戦いの一方で、田上が動かない動かない。中嶋が足攻めを受けてローンバトルになっても、カットに入るでもなくコーナーでのんびり観戦モード。中嶋がほうほうの体でタッチしても、ちょろっと動いたらすぐ戻る。あんまり戻るのが早いんで、場内「えーっ!?」という驚きの声が上がるほど。序盤はけっこう動いていたのに、中盤以降はまるで窓際の中年オヤジのようなムーブでした。まあ、それもひとつの味なのかもしれませんが。一方で、小川はやっぱり小技が巧いですね。太田があの巧さを継承できたら、面白そうです。にしても太田のエアプレーン・スピンはどうなんだろう……これからも続けるのかな?
意外な拾いものだったのが、第5試合のムシキング・テリー復帰戦。いや、テリーがどうとかではなくて、タッグを組んでいたエル・アンヘルがですね、これが実に面白かったんですよ。全身白タイツの山海塾みたいな妙な格好もさることながら(「助清!」というヤジには笑った)、動きがなんかこう、独特の“間”があるんですな。間が抜けてるようだけど動きは妙に滑らかで巧いという、何とも不思議なムーブを見せるんです。強いて言えばウナギのような存在感(笑)。しかも打たれ強くて、試合の流れで押さえるところはちゃんと押さえるという巧者っぷり。あれは実に面白いキャラですね。今後がちょっと楽しみです。
セミ前の潮崎vs.鈴木。これは予想どおりというか……予想以上に一方的な展開になってしまいました。もうちょっと見所があるかと思ったんですが、潮崎、いいようにやられ放題。というか、鈴木は15分以上もよく引っ張ったとほめてあげたいくらいで。最後の方はかなりグダグダでした。潮崎には、今日の負けを重く受け止めてもらいたいですね。もうちょっと引き出しを増やさにゃいかんですよ。
一方、それに続いたセミの試合が……すごかった。いやもう、すごかったんですよ。力皇・森嶋がパワーで押し切るかと思ったんですが、KENTA・丸藤も粘る粘る。30分時間切れ引き分けというラストは全く予想していませんでした。全体としてはヘビー勢が押していたんですけど、ポイントでKENTAの攻撃が冴えまくってました。ラスト5分辺りからの森嶋とKENTAの攻防は凄まじいの一言。にしても、KENTAがよく返しました。森嶋の怒濤の攻撃を何回食らおうともキックアウトする執念は、大したものです。逆に、丸藤は案外目立ちませんでしたね。もしかすると、下手なことしないに警戒されていたのかもしれませんが。
個人的に注目だった森嶋は、よく動けてましたね。それにしても、場外にトペをかましたのには驚きましたが。あの体重で飛ばれちゃ、受ける方はたまらんでしょう。詰めの甘さは課題ですけど、これからもこの調子で行ってもらいたいもんです。
そして、文字どおりのメイン。もう、入場前から大「高山」コールが止まらんのですよ。会場が舌なめずりするような期待感でいっぱいになってるんです。そんな中、まず三沢がリングイン。もちろん割れんばかりの三沢コール。続いて健介、秋山とリングイン。健介への声援もすごかったですね。みんな、その男気に感謝するかのようでした。そして最後に、高山が登場したところで場内沸騰! そりゃもう、すごかったですよ。入場テーマが聞こえなくなるくらいの大歓声。大病を越えて、2年ぶりに帰ってきた「帝王」。感動ものでしたね。冗談抜きで泣きそうになりましたよ。
とまあ、入場だけでお腹いっぱいになった感もありましたけど、試合の方も良かったですよ。三沢と秋山が高山にどれくらい攻撃できるのかが見ものだったんですけど、さすがノアのツートップ、遠慮会釈なしにガッツンガッツンいきましたね。というか普段以上に頭部への攻撃が派手だったような。三沢は滅多に出さないワン・ツー・エルボーを出したりしてましたし、秋山がニーパットをはずして膝を落とすなんてのは、初めて見ました。やっぱり、「手加減してる」と思われたくなかったんでしょうか。
受ける高山の方も、がんばってましたね。やっぱり試合勘がまだ戻りきってないのか、中盤以降かなりスタミナを消耗してる感じがありましたけど、堂々とした試合っぷりでした。エベレスト・ジャーマンも健在で、うれしい限りです。健介は高山の応援役に回りがちでしたけど、立派に務めを果たしてくれました。高山の復帰戦としては、これ以上ない試合だったと思います。
今、CSで今日の試合を見ながらこれ書いてますけど、ビデオじゃ物足りないですね。武道館に行って、もう一度生で見たいです。