「フィード」は新しいメディアになれるのか

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今日はセミナーに行ってきました。
セミナーといっても怪しい宗教とかではなくて、
第6回フィードビジネス・サミット「CGM時代のネットマーケティング」
というやつです。
RSS/Atomといったいわゆる「フィード」と呼ばれるものをどう活用していくか、というお話がいろいろ聞けました。
とはいえ、現状では未だにネット人口の8割くらいが「RSSって何よ?」という段階らしいので、多分普通の人が理解しているインターネットの3年くらい先のことを話してたんじゃないか、って気がします。


セミナー全体を通して共通していた認識は、「フィードはWebに依存するべきではない」ということ。
Site Summary(Webサイトの要約) としてのフィードだけではなく、フィード自体を情報伝達手段として活用すべきだ、という意見が何度となく出されました。
ただ、その考えには同意できるとしても、
・フィードに乗せるコンテンツは今のところWeb時代と同じ類のものでしかない
・フィードの特性を活かしたビジネスモデルは結局提示されずじまい
という、いささかもどかしい議論でもありました。
要するに「フィードって面白いよね」「どう使おうか」「どう使おうか」とみんなで頭突き合わせて考えてる段階なんですな。
ネットベンチャーの方々が様々なサービスをプレゼンしてましたけど、基本的にはフィードを集めて整理してフィルタリングして、といったレベル。まだフィード独自の価値を生み出す段階にまでは来ていないようです。
フィードを新しいメディアとして捉えるなら、そこでどういうコンテンツを流すのかってところまで考えないといけないと思うんだけど、皆さんそこまではまだ思い至っていないご様子。
既存のSite Summaryとしてのフィードをこねくり回すんじゃなくて、フィードだから流せる情報の形、みたいなものも考えていく必要があるんではないでしょうか。
とまあ、そこまで考えることができただけでも、セミナーに参加した意義はあったかな、と。
あー、でも、最後の松岡正剛さんによる特別講演はしびれましたね。
およそ人間が情報から新たな「かたち」を生み出してきた過程を全て振り返りながらフィードの将来を考えることで、そこからWebとは違う新しい何かが生まれるに違いない、という深い洞察。ラスコーの壁画からロンドンのコーヒーハウスまで例に出すその視野の高さと広さには恐れ入りました。
それと、「図書街」プロジェクトの話にはもうびっくり。なんて面白いんでしょ。オフトピなのに、今日一番の収穫でした(笑)。

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