先日受けたLPICのセミナーで、
「Level1の勉強をするならRed Hat Linuxの7.3がおすすめ」
なんて話を聞きました。なんでも、(Level1の基盤である)カーネル2.4系の中では一番安定していて、余計なものが入ってなくてすっきりしてるから、とのこと。
7.3くらいなら昔のPCに入れても動くかなぁ、と思ったので、勉強用と趣味を兼ねて、ひとつ仕立ててみることにしました。
インストールするマシンは、ThinkPad535。無印Pentium120MHz、メモリ40MB(これでも増設してある)という、もしかしたら今どきのケータイにも劣るかもしれない、超ロートル機です。
もちろん、光学ドライブなんかついてません。あるのは外付のフロッピードライブのみ。となると、入れる手段はただひとつ、ネットワーク経由でのインストールしかありません。
というわけで、以下その顛末です。
まず、何はなくともOSのイメージ探し。
これは、セミナーで紹介してくれた理研のサーバに全部ありました。
http://ftp.riken.go.jp/Linux/redhat/archive.redhat.com/redhat/linux/7.3/ja/
以後、このディレクトリをカレントとして話を進めます。
1.PCカードのNICを用意する
ThinkPad535には内蔵のネットワークインターフェイスもありませんから、ネットに接続するにはPCカードのNICが必要です。今回は、昔使っていたLaneed(現エレコム)の「LD-CDL/TX」を使いました。すでに生産終了している製品なので、今となっては入手は困難でしょう。まあ、インストーラが認識してくれるNICであればそれを使えばいいことなので、ここでは参考程度に。逆に、インストーラがNICを認識してくれなければ、その時点でお手上げです。
確実に成功させるには、無線LANのNICよりも、有線のNICを選んだ方が無難かと思われます。
2.インストールに使うディスクを作る
PCカードを使ったインストールを行なうには、
pcmcia.img : PCカードを利用するインストーラ
pcmciadd.img : PCカードのドライバ
この2つのディスクイメージが必要になります。
それぞれ、./os/i386/images/ja/pcmcia.img、./os/i386/images/pcmciadd.imgとして置いてあるので、ダウンロードしておきます。
これらのイメージをフロッピーディスクに焼くためには、rawriteというツールを使います。よく説明であるのが、MS-DOSのコマンドプロンプトでrawrite.exeを実行するパターンですが、今回はそのrawriteのGUI版であるrawritewinというものを使いました。手順は以下のとおり。
1../os/i386/dosutils/rawritewin/rawritewin.exeをダウンロードしてWindows上で実行
2.PCのフロッピードライブ(大抵はAドライブ)を指定
3.焼きたいimgファイルを指定
4.「Write」ボタンを押す
コマンドプロンプトよりも簡単なので、おすすめです。
3.インストーラの立ち上げとNICの認識
外付けフロッピードライブにpcmcia.imgを焼いたディスクを入れて、NICにLANケーブルを接続して、ThinkPad535の電源を入れます。
「boot:」のプロンプトではEnterのみを入力します。インストーラが起動すると「PCMCIAドライバの入ったディスクを入れて下さい」というメッセージが(英語で)出るので、ディスクをpcmciadd.imgのものに入れ替えて、「OK」を選択。PCカードデバイスの初期化が始まって、うまくNICを認識してくれれば、NICのランプが点灯するはずです。
(もちろん、ケーブルがハブ等ネットワーク機器に接続されていることが前提です。念のため。)
4.ネットワークインストールの準備
言語選択(日本語)、キーボード選択(jp106)と続いて、インストール方法を選択するメニューが出てきます。ネットワークインストールなので、ここは「HTTP」を選びます(FTPを選択するとanonymousFTPのパスワードを聞かれるので)。
続いて、TCP/IPの設定。ここは各自のネットワーク環境に応じて、適当に。
最後は、Webサイト名、ターゲットのLinuxがあるディレクトリの入力です。
Webサイトは「ftp.riken.go.jp」
ディレクトリは「/Linux/redhat/archive.redhat.com/redhat/linux/7.3/ja/os/i386」
と入力します。ネットワークインストールでは RedHat/base/以下のディレクトリからイメージをインストールするので、その直前までのパスです。
ここまでうまくいけば、netstg1.imgの取得が始まって、anacondaが起動、しばらくすると
「Red Hat Linuxへようこそ!」
という画面になって、めでたしめでたし。後は、普通のインストーラと同じです(グラフィカルではないですが)。各自の技量に応じて進めて下さい。
んー、こんなもんですかね。
この方法、多分ThinkPad535に限らず、PCカードのNIC経由でのネットワークインストールをする場合であれば他のPCにも応用できると思います。そんな環境にLinuxをインストールする需要がどれほどあるかわかりませんが(苦笑)、ご参考になれば幸いです。
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