無線LANルータを買い換えた話。

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先日、LIVAくん導入に関連して我が家の無線LANルータを買い替えたので、そのことについて少し触れてみたいと思います。

新しく導入したのは、NECのAterm WG2600HPです。このルータ、ネットで評判とか調べるとかなり地雷っぽい印象を受けるのですが、いざ使ってみるとそんなことはなくて、非常に調子がいいです。なので、ユーザーとしてその辺の弁護も含めて。

我が家は家の構造上、各部屋へ有線LANを引くことができないので、固定設置のPCやテレビなども含めてネットワークへの接続はすべて無線で行なっています。そこに加えてChromecastやらFireTVやらKindleやらと端末が増えていったので、現在は合計10台くらいの端末が無線にぶら下がっています。

以前使っていた無線LANルータは、バッファローのWZR-1750DHPというものでした。IEEE802.11acがまだドラフトだった頃に発売されたものでしたが、無線の通信速度は割と速くて、10台ぶら下がった状態でも特に不自由は感じていませんでした。

ですが、ルータ背面のハブに我が家唯一の有線LAN機器であるLIVAくんを接続したところ、様子が一変しました。無線LAN経由でのネットワーク接続が目に見えてもたつくようになったのです。スピードテストを行なうとそれほど低下したようには見えないのですが、Webサイトを開くと、今まではスムーズに表示されていたサイトがカクカクと引っかかるような感じで表示が遅れるようになりました。で、LIVAくんを外すとその現象は治まるのです。困りました。LIVAくんはCentOSを載せた時点で無線LANが使えなくなっているので、このままではLIVAくんの繋がる先がありません。

いろいろ調べてみたところ、どうやらバッファローのルータは有線LAN接続のパフォーマンスがあまりよろしくないのだとか。これは推測ですが、無線側にたくさん機器が接続された状態で有線側まで使用すると、ルータの処理速度が落ちるのではないかと思われます。それと、ルータのログを見ると外部ネットワークへのリクエストの一部がなぜかブリッジのインターフェイスに送られてファイアウォールに止められる、という謎の現象も起きていました。これは何が原因なのかはわかりませんでしたが、ネットワーク接続のパフォーマンスを落としていた一因になっていたと考えられます。

というわけで、2年以上使ってきたルータでしたが、このままではLIVAくんの居場所がないので、もう少し処理速度の速いルータに買い替えることにしました。

では、どの機種を選ぶべきか。

バッファローの新しい機種も考えたのですが、同じ有線LANの問題が起きたら目も当てられないので、今回は見送り。ついでに言うと、バッファローのルータはどのパケットをどうフィルタリングしているのかがはっきりしない(というかユーザーが設定できない)ので、その辺の不信感もありました。 ASUSのルータはやたら作りが凝っているという評判だったので興味があったのですが、アンテナがにょきにょき生えていて我が家のルータの設置場所と相性がよろしくなかったので、残念ながら見送り。その他のメーカーもいろいろ調べてみたのですが、実績が少なかったり性能が一長一短だったり低価格すぎて不安だったりと、決め手に欠けていました。

で、最後に残ったのは……NECでした。

その昔、まだインターネットが世間に浸透する以前の頃にNECのAtermを使っていたことがあって、その当時としてもかなり細かな設定ができる製品だなと感心していたものでした。今の製品について調べてみたところ、その辺の細やかな設計思想は受け継がれている様子。仕事柄ネットワークの設定にはうるさい方なので、この辺りは安心感がありました。半年前に発売されたWG1200HSはコストパフォーマンスという面でもかなり評判が高く、これにしようかなー、と思ったりもしたのですが、どうせならフラッグシップを買うでしょ! というわけで、最終的に選んだのは同時期に発売されたWG2600HPでした。お値段はそれなりにしますが、そこはフラッグシップということで。

ですがこのWG2600HP、購入前に調べたネットでの評判はあまり芳しくないものでした。たとえば、某口コミサイトに書かれていた「iPhone6sと相性が悪い」という話。我が家は妻も私もiPhone6sを使っているので、これにはかなり警戒しました。ですが、NECのサイトで見るとiPhone6sは接続試験済みの機種に入っていたので、もし何かあったら初期不良ということでねじ込めばいいかなと。その他「思ったより電波が弱い」「速度が出ない」「初期不良が多い」等々、かなり言われ放題になっていましたが、その辺の良くない評判は発売初期の頃のものが多かったので、半年たった今なら、まあ、大丈夫なんではないかと。

というわけで、半ば恐る恐る購入してみたのですが……使ってみると、これがなかなか具合がいいのです。もやもやとした懸念事項だったiPhone6sでの通信はまったく問題なし。やはり相性云々というのは初期不良の一種だったのではないかと。そして、インターネットへの接続も体感的に「を、速くなった?」と思えるくらいの改善がありました。電波の届き方も、やや小さめな我が家(マンションです)の間取りであれば何ら問題なし。スピードテストをしてみると、以前のルータに比べて下りの通信速度が安定しているようでした。これは、なかなかいいんでないの?

で、そもそものきっかけであったLIVAくん問題。ルータ背面のハブに(祈るように)LIVAくんを接続してみたのですが、以前のルータで起きていた速度低下はまったく起こらず、無線環境は有線接続前とまったく変化はありませんでした。うん、よかったよかった。これでこそ、買い替えた意味があるってもんです。

とまあ、そういうわけで通信環境としてはかなり満足のいくWG2600HPだったのですが、使ってみるといろいろ気になる点もありました。

まず、個人的に最大の問題点だったのは、通信ログが見られないこと。これはショックでした。WG1200HSでは見ることができるそうなので、上位機種の2600HPでも見られるだろうとたかをくくっていたら、まさかの展開。これは非常に残念。一般的にはめったに使われない機能だと思うのですが、ログ出力機能は今後のファームウェア更新でぜひ追加して頂きたいです。NECの関係者の方、何とぞひとつご一考を。

それと、上りの通信速度が格段に落ちてしまったこと。以前のルータに比べると半分以下まで落ちてしまいました。もしかすると、上りの通信処理を削って下りの処理に回しているのかもしれません。インターネットを利用する分にはまったく支障はないのですが、やや解せない面もあります。

最後に、Webインターフェイスによる設定画面の作りの悪さ。設定項目一覧といったショートカットが存在しないので、メインメニューと各項目の設定画面を頻繁に行ったり来たりしなければなりません。一般的な使い方ならまだ許容範囲なのかもしれませんが、詳細設定を行なおうとするとこの行ったり来たりがさらに増えていくので、かなり閉口します。

つなぎ方ガイドや取扱説明書を見ると、とにかく簡単に使えますよ的なアプローチで説明がなされているので、そういうユーザー層を意識しているんだな、ということはわかります。でも、Atermの醍醐味はやはり詳細設定にあると思うのです。詳細なマニュアルなどはニーズが低いのかもしれませんが(実際、本体には付属せずAtermのサイトで公開されているだけ)、もう少し高レベルなユーザーへの配慮も欲しかったです。特に、繰り返しになりますが、ログ! ログをぜひ見られるようにして頂きたい! と声を大にしたところでレビューもどきを終わります。以上。

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