麻雀で8句

特にこれといった理由はないのですが、「麻雀」を読み込みでどれくらい句を作れるか、練習がてら試してみました。

麻雀の四人揃いし枯野かな

麻雀を終えたる朝の根深汁

麻雀卓囲む狐の顔をして

麻雀の向かいに座る狸かな

蜜柑剥く一人足らざる麻雀卓

あかぎれの手でかき混ぜる麻雀牌

麻雀牌掴み寒夜に沈みけり

勝者なき冬暁の麻雀荘

バリエーションをつけるのが難しかったですが、今の力ではこんなもんですかね。

理屈先行で作ってるところが、まだまだかなと感じています。

もっとイメージの組み合わせというものを意識しないといかんです。

小雪で9句

今日……というか、日付的には昨日になってますが、二十四節気の「小雪(しょうせつ)」だそうで。

とはいえ、マイナーな存在ゆえかあまりこれといったイメージがありません。

ぶっちゃけ、俳句にするには難しい、というか手応えのない季語です。

TwitterのTLに流れる句を見ても、残り12音でどれだけうまいことを言うかという大喜利状態になっている様子。

だからというわけでもないのですが、私もちょっと気張って作ってみました。

まあ、勉強中の身なので例によって出来の悪さはご勘弁を。

小雪の空の寂しき青さかな

小雪の街を憂いの直方体

小雪に打ち捨てられし天球儀

うたた寝をして小雪の終わりけり

小雪と知りて下着を替えにけり

通り過ぐ小雪という一里塚

小雪や残り時間の知らざりき

行き先の無く小雪の難破船

小雪や朽ちゆくものに花束を

お粗末様でした。

鯨で6句

昨日TwitterのTLで鯨の句を見かけたので、今回は「鯨」で作ってみました。

人という幼きけもの鯨舞う

鯨見て帰りし人の眼かな

耳をすます鯨の夢を見し夜は

溜息をついて鯨の去りにけり

休日の鯨は空を夢見たり

時あらば鯨の星に生まれたし

んー、ちょっと無理してる感がありますが、まあ現状はこんなところで。

なかなか上手くならないなぁ。

私的・俳句の作り方Ver.0.1

昨日帰り道で歩きながら考えたことを徒然とメモ。あくまで私的な考えなので、反論等はご容赦下さい。また、バージョンアップによって内容が変化することがあります。今回は初回ですからVer.0.1ということで。

1.俳句は複数のイメージの有機的な相互作用でできている。有季であれば、そのうちのひとつが季語によるものである。

2.言葉は単独でイメージを構築することもできるし、複数の言葉の組み合わせによって形成されるイメージもある。

3.俳句は、ひとつだけでもオリジナルなイメージがあれば充分成立しうる。

4.オリジナルなイメージができれば、それとの距離感によって自ずと季語は決まる。

5.季語と言葉の組み合わせによってオリジナルなイメージを形成することもできる。

6.俳句的な着眼点(ミクロ、マクロ、etc.)によってオリジナルなイメージを形成できる場合もある。

7.いわゆる「ただごと」は、イメージとして脆弱である。よって、「ただごと+季語」による句はよほどのことが無い限り、俳句として脆弱なものとなる。

うーん、今日はとりあえずこんなものかな。いい加減寝ないといけないので。また考えがまとまったらバージョンアップさせます。

帰り道当季雑詠7句

どうにも自分の作る句が、面白くないのです。

昨夜散々考えて作ったはずの句が、朝になってみるとどれもつまらない。何が良くないのだろう、と考えた出勤時。

とりあえずの結論として得られたのは、写生を考えるあまり世界の奥行きや広がりが失われている、ということ。言葉的にも、意味的にも、空間的にも。

いや、もちろん写生だけでも奥行きや広がりを感じさせることはできるんでしょうけど、私はまだそこまでの技量を持っていません。多分、俳句の経験値が足りないのだと思います。

ならば、経験値が少ないなら少ないなりに、できるだけ「飛んで」みようと。そう思って、帰り道に作ってみました。

水涸れて乗客各位潰し合う

敗荷や舌で弄る口内炎

短日を惜しみてダウンロードせり

歌舞伎町狐を狩るか狩らるるか

センター街歩む海鼠のふりをして

揚々と朝三暮四の冬の鵙

冬青空敗者は昼食を奢れ

……これでもがんばった方なのですが(恥)。

茶の花で5句

今日はTwitterでちらりと見かけた季語「茶の花」で作ってみました。

ですが、普段見慣れない花のためか、なかなかうまく作れません。半日がんばって5句がやっとでした。こんなんじゃ「豆の木」の句会なんかには出られないなぁ、と反省しきりです。

というわけで、いつもどおりの拙作ですが、ご笑覧下さい。

星降りて茶の花の咲く朝かな

茶の花の匂える秘密研究所

茶の花やかつて主でありし人

口内炎気にして茶の花の真白

茶の花と俯いている尼僧かな

お粗末。

熊手で8句

今日は一の酉ということなので、「熊手」で作ってみました。

病室の棚に小さき熊手かな

ほろ酔いの二人で担ぐ大熊手

熊手買う手締めに鬼の笑いけり

終電の熊手抱えて眠りおり

翌日の教員室の熊手かな

めいめいに世相映して熊手かな

熊手持つ父の背中を追う子かな

熊手熊手熊手ゲシュタルト崩壊

うーん、「かな」止めが多い。まあ、いつもながら即席なので、出来の悪さはご勘弁を。

冬の鵙7句

今日はツイッターで「冬の鵙」の話が出たので、会社帰りに冬の鵙の句を作ってみました。即席なので、出来の悪さはご容赦を。

冬の鵙頭に乗せてウルトラマン

曇天を追い払うごと冬の鵙

地にあれば地を治めんと冬の鵙

冬の鵙裏山のはや夕暮れて

三度目の昔語りや冬の鵙

早朝に月の傾く冬の鵙

冬の鵙妥協はせぬと尾を振りぬ

お粗末。

帰り道吟行8句

会社から帰る電車の中で角川『俳句』電子書籍版を読んでいたら、何となく俳句を作りたくなったので適当に周りを見回しつつ作ってみました。これを吟行と言うかはともかくとして。

九月尽隣は手羽先の話

十月の話題になりしオムライス

念入りに爪を磨いてそぞろ寒

急行に乗る早過ぎる冬支度

立ったまま眠りの中へ破れ芭蕉

改札を通って鹿は幻に

星飛んで歩きスマホとぶつかりぬ

銀漢の駅から徒歩で十五分

お粗末。

病院吟行5句

今日は退院後の経過観察で病院に行ったのですが、診察までの待ち時間が長かったので、吟行だと思って適当に句をひねってみました。出来の悪さはご勘弁を。

「車椅子」

心電図とる足首の冷やかに

霜降の静脈の血の暗さかな

いつもより血圧高き神の留守

秋雨を避けて車椅子の老婆

診察を待つ中庭の萩の花

病院という限られた空間でも、見回してみると題材はあるものですね。こうやって暇を潰すのはなかなか楽しいものです。