俳句のユネスコ無形文化遺産登録を目指す動きに対する懸念

「俳句をユネスコ世界無形文化遺産にしよう」という動きがあることについては、この記事を読んでいる方であればある程度はご存じであるかもしれない。
今のところそれほど表立った活動が見られないので、その行動の詳細については数少ない手がかりを頼りに把握するしかない。ここでは、その手がかりとして以下のリンクを提示しておく。

俳句をユネスコ世界無形文化遺産に」俳句4団体会長 2017.1.26(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=nKvatEa3WKg

そこが聞きたい:世界の「HAIKU」 国際俳句交流協会会長・有馬朗人氏(毎日新聞2017年4月24日 東京朝刊)
https://mainichi.jp/articles/20170424/ddm/004/070/186000c

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俳句が好きな人たちのためのマストドン

Twitterで宣伝するばかりで、肝心の自前のブログでの宣伝を忘れていた大間抜け。

というわけで、俳句が好きな人たちのためのSNS(マストドン)「haikudon.jp」を立ち上げました。

現在、参加してくださっている方は私を含めて9名。実は今をときめく俳人であるあんな方やこんな方にも参加していただいておりまして、大変うれしいやらありがたいやら。

とはいえ、SNSは人が多く集まってナンボの世界、まだまだ盛り上がるには人が足りません。俳句が好きな方であれば、有季・無季・定型・自由律は問いません。俳句の話題であれば、何でもOKです。マストドンでは1トゥートあたり500文字(原稿用紙1枚以上!)書けますので、Twitterでは短過ぎるけどブログを立てて書くのも何だか面倒、というちょっと俳句について語ってみたい方にはぴったりです。だらっとした雑談からがっちりした議論まで幅広く対応できますので、「俳句が好きだ」という方々のご参加を、心よりお待ち致しております。

……一時期のマストドンブームには完全に乗り遅れた感がありますが(汗)、どうかひとつ、よろしくお願い致します。

最近はこんな感じ・蔵出し20句

某所に応募するために取っておこうかとも思ったのですが、自分を追い詰めるために全部吐き出すことにしました。甘えてはいけないのです。

 

アクセサリーのような悪意は二階の月

防犯を呼びかける声案山子の死

捨扇手紙が来ない日の腹筋

秋晴の闇はピエロの涙かな

道化師は秋刀魚の尻尾めく謀反

友達の距離の二乗や小鳥来る

星飛んでひとり足りなくなる童話

脳味噌を絶やさぬように砧打つ

秋の日のAの欠片を拾いけり

水澄むや緑のランプなら未来

電柱は影の足し算栗を剥く

菊枕スマートフォンで聴く民話

秋色に風の写真やビタミンE

リモコンの負の感情を鰯雲

雨粒にパソコン群れを為し夜業

デジタルの文字は感傷とろろ汁

世の咎よ鏡の奥の法師蝉

ひび割れて空衝動の朝や秋

新酒酌むこの世に報復の凱歌

鹿の目を星よぎる祈りの日かな

 

以上。ご感想など頂けると幸いです。

久しぶりに病院吟行6句

検査のために月イチで病院に通っています。

すっかり通い慣れた場所なので景色はあまり代わり映えしないのですが、着眼点や視野を変えるとそれなりに吟行できるものです。というわけで、診察待ちの間に作ってみました。

病む人ら数字となりぬ喜雨の中

あきらめや夏帽を手に車椅子

患者とは耐える者なり朝曇

精神科待つ花柄のアロハシャツ

人生の見本市なる夏の内科

一歩ずつ松葉杖行く大暑かな

そういえば、今日は大暑なんですね。早いものです。

出し忘れ6句

某ネット句会に出し損ねたので、ここで晒します。

梅雨寒や口開けたきり拡声器

出っ張りと向き合うゆらゆらと金魚

水飯として落胆の現れる

実梅をかじる足の指にも指紋

ゴルファーは蜥蜴の顔をして降りる

冷やし中華どこへ行けども白い海

『君に目があり見開かれ』を読んで

というわけで、前記事から関連して、佐藤文香さんの『君に目があり見開かれ』を読んでの私なりの感想を述べてみたいと思います。

まず、「オルガン」の座談会でもキーポイントとなっていた、表紙にある「レンアイ句集」という言葉。オルガンの4人はこの「レンアイ」を「(人間同士における)恋愛」というスタンスで語っていましたが、私はそれとは違う捉え方をしました。

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「オルガン」1号を読んで

すっかり出遅れた感もありますが、昨夜あまり話せなかったのでここでまとめておきます。

まず、各作品から。

細密に鉄路かよへり春の星  生駒大祐

鳥たちのうつけの春をハトロン紙

記号うつくし空港の通路を蝶  田島健一

あかときの芭蕉がふたりいる柳

うららかに暮らした跡のあるほとり  鴇田智哉

アラームアラーム青葉若葉のめくれ来よ

クリアそれから川べりの芽吹かな  宮本佳世乃

百千鳥喇叭笑つて走り抜く

で、記事としては4人の座談会形式で「佐藤文香の『君に目があり見開かれ』を読んでみた」というものがありました。この記事は、4人それぞれの個性が見えてきて、非常に面白かったです。

深入りは避けつつ、素直な感想を述べる生駒さん。

各論から始まって、より普遍的な批評を試みる田島さん。

「俳句は」「句集は」という視点から高い精度で的確にコメントしていく鴇田さん。

少し距離を置いたところから鋭く突っ込む宮本さん。

うん、非常に面白かったです。

私も佐藤さんの句集を読みましたけど、4人とはすこし違う印象を抱いたので、その辺の差異も含めて、楽しませてもらいました。

どう違ったのかは、ここで詳しく書くと「オルガン」の内容から離れてしまうので、別の記事にて。

聞いた話では、すでに次号の準備も進められているそうなので、今後に期待したいと思います。

これからも忘れないために

以下、今朝の私のツイートです。Twitterの流れの中で見失わないように、こちらのブログにも書いておきます。

おはようございます。
要するに、自分は俳句そのものではなく「俳句的な飛躍」とか「俳句的な表現」に憧れを抱いていたのだな、と。
そうではなく、一句として完成された俳句を作ることを目指す。そうすれば、自ずと表現はついてくる。
多分、そういうことなのかな、と思う朝。

何と言うか、もがいていた理由がようやっとはっきりしてきたような気がします。飛躍とか表現とか、そういうものを意識するあまり、俳句として完成させることを怠っていたのだと思うのです。今さらこんなことに気づくというのも、実に恥ずかしい話ですが。自分はいったい何年俳句をやってきたのかと(苦笑)。

とまあ、そういうわけで、これからは表現にこだわらずに俳句としての完成度を高めることに気を配っていきたいと思います。まずそれができるようになって、それからいろいろ工夫をしていくということで。

まるで初心者に戻ったような気分ですが、今まで考えてきたことは決して無駄にはならないと信じて、また俳句を始めていきたいと思います。

それでわでわ。

春まだ遠く

立春を過ぎたとはいえ、関東地方では雪の降る寒さ。まだまだ「春浅し」といったところでしょうか。

最近俳句関係で何をやっているかと言いますと、思うところあって基本的な写生からやり直しています。いわゆる「十二音技法」も辞さず、本当に平明なところから勉強し直しです。

と言いますのも、先日行った句会で席題が出た際に、まともな句が全く作れなかったことに内心愕然と致しまして。瞬発力の無さもさることながら、感覚だけで作句している自分の姿勢自体に問題があるのではないかと思い、足下から見直していくことにした次第です。

と言うか、最近頭でっかちになり過ぎていたのかなぁ、とも。理屈ばかりが先行してしまって、実力が全く伴っていないことにようやく気がついた、という感じです。

そういうわけで、今は身を慎んで修行の日々を送っております。日常での写生の訓練をしたり、手元にある句集を読んで技巧を学んだり等々。

今テキスト代わりに読んでいるのは、先日復刊された佐藤文香さんの句集「海藻標本」です。いわゆる「俳句の骨法」と言いましょうか、そういうものが無理なく表されているような感じがして、お手本として学ぶところの多い句集だと思います。ちなみにこの「海藻標本」、初版が2008年6月となっていまして、時期的には私が俳句を始めたばかりの頃に編まれたもののようです。それから約7年、遠回りして初心に戻った今の自分にとっては、ある意味運命的(?)な句集なのかもしれません。

といったところで、またここで作品を発表できるようになるのはまだ先のことになりそうです。もうちょっと勉強して、多少はましになった作品を出せるようになりたいと思っています。

それでは、また。