1994年9月30日
代々木は奇跡の起こる街だ。レイフォースに逢った街、「彼女」の声を聞いた街、初めて3面をクリアした街、そして今日、ハイテク代々木で――うげー、8THで170万点なんてあり―――!? 100万点がやっとの私が、この店でネーム入れやるのは相当難しそ……などと思いながらのプレイ、何だかんだ言って1コインで、残機0ながらG.P.M.S.-2に到達。でも茗荷谷での実力じゃあ、悔しいけど今の私に勝てる相手じゃない……! それなのに、唐突に、左側の足2本が、外れた! 本体が谷底深く落ちてゆくのが、不思議に鮮やかに見えていた。
――うそ、勝っちゃった!!
まぐれでも何でも、4面クリアだ。今まで私が出した事のない、140万というスコアが、確かに私が4面を超えたのだと告げている。「生で」見る5面の風景は無我夢中だった。そして2コイン目の残機が尽きて――ネーム入れをできずに台を立たねばならなかった事だけが、残念だった。けれど……
同じこの店で、弟とレイフォースを見るので待ち合わせた時、弟が見た私の姿は、悲しいくらい小さかったそうだ。162cm、50kg弱、20代後半の女としてはそれなりの体格だが、猫背であるのと、圧倒的に男性が多いゲーセンでは、相対的に不利だったというのと、ゲーマーとしてのレベルがそうさせたのだろう。
スコアネームは残せなくとも――今はきっと、少しは大きく見えるはずだ。
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