当初は「300 文字以内に、いかにして JR 特急の愛称を詰め込むか」という、純粋に技術的なトライアルだったのですが、後年「鉄道ダイヤ情報」誌上を賑わした、詩の萌芽と呼んでいいでしょう。(1994/5)


オホーツクの地に
ライラックと鈴蘭が咲く頃
大空の下を旅に出よう
 
白鳥は北斗の空に去り
田沢の稲穂は青くそよぎ
こまくさは曙に輝きを放つ
 
そよ風の吹く谷川の河口
朝霧の向こうに遠い潮騒
さざ波を背にあやめが薫り
 
自然のきらめき
北アルプスに雷鳥は衣替え
白鷺集う飛騨の山々も桜色
 
南紀の温もり黒潮が運ぶ
朝風渡る瑞穂の国よ
 
出雲の神は八雲の上で
浜風を受けて縁を導く
 
瀬戸の花嫁は南風に乗って
渦潮越えて逢いに行くのか
 
暁の海にかもめが舞う
日輪のもとつばめも間もなく
緑の湯布院の森を望む
 
彗星の消えゆく明け方の空に
隼の翼を拡げて
望みは遥か光の彼方
朝日が青葉を照らす明日へ――
 


問題:この文章の中に、JR 特急の愛称は、いくつ含まれているでしょう? 答えを葉書に書いて「鉄道ダイヤ情報」へ。正解者には豪華賞品が……出る訳ないでしょ←古典的なオチ。

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