1994年7月15日

 私は鉄道が好きだ。女としては珍しいが、本能的に鉄道車両やレールに愛着を感じてしまう。どこが好きか……って、沢山あるけど、一番好きなシーンは? と聞かれたら、帰宅途中に見る、横須賀線西大井−新川崎間の車窓に、並走あるいは離合してゆく、東海道新幹線だと答える。白い列車たちが、その(パンタグラフ)に蒼い火花を宿し、闇を切り裂く一条の光となりて、人の命を乗せ、ひた向きに走る様が好きだ。
 今日もその風景を見ながら、ふと気付いた、それも一種の〈RAYFORCE〉ではないのかと。天を翔るものと、地を駆けるものという違いはあっても、銀色のレール(ハードワイヤー)の力もて
希望(のぞみ)」、「(ひかり)」、RAYFORCE.
 (くう)を赤く染め上げて、駆け抜けてゆく後ろ姿は――RED POWER TO PIERCE THROUGH.
 
 その日発売された「鉄道ダイヤ情報」という雑誌に、私の投稿が掲載されていた。
 その中に、「望みははるか光の彼方」という一節があった。

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