1994年6月某日

 今日も仕事だ。ワープロのキーボードの上を、縦横無尽に指が走ってゆく。タタタタタタ…… ワープロオペレーター歴2年の上級者になると、キータイプは連続音をたてる、時には「ズダダダダッ!!」という音をさせる事もあり、歳のいっている人からは、機関銃だとも称される。――そう、脳に直結されたキーボード・インターフェイス。意識して指を使う必要は無い、私が望むだけで文字列は並び変換される。ワープロのディスプレイは私の思考に、CPUは頭脳に、そして文章は、牙となる!! ……かどうかはイマイチ自信がないが。
 これだけのキーを自在に操れるのに……何故、たかだか1レバー2ボタンが、思い通りにならないんだろう。それも基本的にはレバーだよね。レイフォースの場合、ショットは押しっぱなしで大丈夫だし、スコアを度外視すれば、レーザーも思い出した時にぱたぱたと射っていれば問題はないはずだ。右手はロクな事をしていない。――もしかするとこのゲーム、左利きの方が有利なのかっっっ!? ああああ。
 でも――ね、数回のトライでデュアルランスの顔を拝む事はできたんだ。自分には絶対にゲームはやれないと思ってた、高難度ゲームに関する言い回しで、「コインを入れる前に全滅している」というのは誇張ではない、とも。けどやってみたら違った。私なんかでも、できたんだよ! ……うん、数年扱ってきたキーボードと、1ヵ月そこらのコンパネを、一緒にしたら駄目だよね。精進あるのみ、頑張らなくっちゃ!
 ……それはそうと――デモ画面で「彼女」がスロットルレバーのスイッチを押しているのは、誰がどう見たって左手だよね。何故? 単に絵としての都合なのかな……実は左利きだったりして。

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