1994年8月9日

 ようやく、長い長いトンネルを抜けた――1コインで2面をクリアできた。何故2面を超えられないのだと、ずっと悔しい思いをしていた。ちゃんとできれば抜けられるはずなのに、どうしてそれだけの事ができないの!! 何をすべきか分かっているのに――否、本当の意味で分かってないから墜とされるんだ。でも、やっと。本当に分かった時に、容赦もない代わりにお世辞もなしで、目に見える結果として筐体は応えてくれる、どこまでも前向きな営みの対価として……。悔しいと思ったって泣きたくなったって役に立たない、戦い続けるしかないんだ。
 ただ、その「続ける」というのはね……本来「彼女」に残機もコンティニューもない、それどころか、分かっているパターンを戦うという事態すらないのだ。見た事もない風景に突っ込んでいって、ノーミスで全面クリアするのが真実の「彼女」。「彼女」に近付くためにゲームを始めたけれど、実は繰り返すほどに遠ざかっているのか――ううん、ごめんね私非力だから、繰り返し見させてもらうけど、それはその度貴女に近付いたプレイをするためなの――どうか、許してね……。

いいね!
いいね! 0
読み込み中...
Pocket


コメントを残す