G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
オルゴールのねじを回して、お気に入りの曲を奏でてみる。
そのタイトルを、「G」という。
自分で勝手に付けた歌詞を、小さく口ずさみながら――
♪遠い旅の果て あの星に私がたどり着けたら
ああ 光る粒になり 降りしきるの 雪のように
G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
――願い事を唱える暇もなく、窓を流れ星が一つ通り過ぎていった。
♪遠い旅の果て あの星に私がたどり着けたら
ああ 光る粒になり 降りしきるの 雪のように
私を呼ぶ力に 引かれるまま
そう
不意に、忌むべき未来が胸をよぎる。
何処かの惑星の砂地に叩き落とされて、朽ち果てる予感。
G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
G・R・A・V・I・T・Y……
くれぐれも、機械仕掛けの偽物の重力に、
捉まることだけはありませんように。
♪迷うこともなく あの星に私はたどり着きたい
ああ 宇宙に流されて 星の狭間 くぐり抜ける
どれだけかかろうとも 長い長い旅を終わらせて(再び上り詰める想い)
気が遠くなるほどの 彼方で私を待ってる……夢……
そして――すべてが小さな分子に分解された肉体は、
一番強い力で私を求め続けてくれた星にたどり着く。
音もなく静かに、まるで雪のようにきらきらと降りしきる、至福の瞬間……!
♪大いなる光 私を迎え入れてくれる いつか――
私の願いが叶う日は、哀しいけれどまだあまりに遠い。
それでも、その時がいつか訪れてくれることを強く信じて、
私は、今日も戦い続ける。
いいね!