レイフォースは、1994年にタイトーがリリースした、縦スクロール型のシューティングゲームです。
レイストーム、レイクライシスへと連なるいわゆる「RAY」シリーズの端緒であるのですが、20年以上前のゲームでありながらファンの支持は根強く、週刊ファミ通が2017年に行なった「シューティングゲーム総選挙」では500近いタイトルの中から第10位にランクインするなど、いまだに存在感を放っています。

ゲームとしての概要はWikipediaをご覧いただくとして、ここで力説したいのはその完成度の高さです。ポイントとしては

  • 2Dゲームでありながら立体的かつ緻密なグラフィック
  • 偉大なる発明「ロックオンレーザー」
  • 映像と音楽による多彩な演出効果
  • シームレスに場面展開することによる「ストーリー性」
  • シューティングゲームとしての作り込みの高さ

といったところでしょうか。

初めてレイフォースの映像を見ると緻密に描き込まれたグラフィックに目を奪われます。もちろん、現在のハードウェアのスペックからすれば解像度などは比べるべくもないのですが、逆にそれゆえに、2Dの画面であるからこそドット単位で描き込むことができた美しさがあります。そして、その次に驚くのが2Dゲームとは思えない立体的な場面展開でしょう。軌道上から地表、そして中心核へと「降りていく」過程の高低差をポリゴンを一切使うことなく表現しきっています。さらに、(どちらの発想が先だったのかわかりませんが)その高低差を活かしきった「ロックオンレーザー」が描く美しい曲線は、何度見ても惚れ惚れするものです。

さらに、その美しい映像がスタートから最終面までシームレスに描かれることによって、プレイヤーはミッションである「OPERATION RAYFORCE」の遂行を自らの体験、ひとつのストーリーとして感じることができます。加えて、深い世界設定を感じさせる映像と、無機質なテクノでありながら感傷的に、映像とシンクロする音楽による演出は、プレイヤーの想像力を刺激してやみません。初めて最終面に到達したときは、誰もが息を呑んだのではないでしょうか。そして、エンディングでは誰もが胸を打たれたに違いありません。

そして、演出面だけではなく、シューティングゲームとしての作り込みの高さも忘れるわけにはいきません。ロックオンレーザーによる同時攻撃で点数がアップするゲーム性と、それを考えた上での敵の配置や動き、絶妙なタイミングとベクトルで放たれる敵弾、初見では難しくともやり込むことによってプレイを効率化していける面白さ……すべてが、非常に高いレベルで計算され尽くしているのです。

と、手短に語ればこんな感じなのですが、とにかくシューティングゲームとしての完成度は(私の知る限り)最高峰だと思います。
もしレイフォースをご存じない、見たことがないという方がいらしたら、百聞は一見にしかず。ぜひ以下の動画をご覧になってみてください。




 

レイフォースの「ストーリー」とは

ところで、先ほど「ストーリー」という言葉を出しましたが、実のところ、レイフォースがリリースされた当時、レイフォースにはストーリーというものが何もありませんでした。あったのは、「RAYFORCE MISSION DATAFILE」に書かれた歴史年表設定資料のみだったのです。だからこそ、プレイヤーは思い思いに想像力を働かせて、それぞれのレイフォースのストーリーを描くことができました。

今でこそレイクライシスの設定がレイフォースの「公式」ストーリーのように認識されていますが(英語版Wikipediaではすでにそうなってしまっています)、あれはあくまで後付けの設定であって、レイフォースにおけるひとつの見解に過ぎないのではないか、というのが当結社の主張です。実際、レイフォースの背景となる歴史年表ではCon-Humanが「暴走」したという記述は一切なく、Con-Humanが人類からの命令を一切拒否するに至った理由を語るには、レイクライシスの設定ではやや強引に思えます。

私たちは、このWebサイトを制作することによって、レイクライシスの枠だけにとらわれない、自由な発想でレイフォースをより深く楽しんでもらえるように、さまざまな「可能性」を提案したいと思っています。

当サイトでは、歴史年表や用語などの設定資料集である「RAYFORCE MISSION DATAFILE」、BGMの作曲者であるTAMAYOさんがレイフォースをイメージしたコンセプト集「RAYFORCE IMAGE FILE」、当結社主宰の小蕪がレイフォースの世界を想像して執筆した二次創作小説集を公開しております(右のメニューからご覧下さい)。これらを手がかりにレイフォースの世界の奥深さを感じていただけますと幸いです。
また、小蕪がレイフォースへの熱い思いの丈を綴った投稿作品集も公開しておりますので、あわせてご覧ください。